【ミラノ=野口季瑛】イタリア・ミラノで日本の抹茶が人気だ。背景にあるのは、日本食ブームや健康志向の高まりで、昨年の海外への緑茶の輸出額は過去最高を記録した。
10日、ミラノ市内の和風カフェ「神楽坂 茶寮 ミラノ店」は、抹茶や抹茶味のスイーツを目当てに、開催中の国際家具見本市「ミラノサローネ」に訪れている外国人や、地元の客でにぎわっていた。
一番人気は、ボリュームたっぷりの抹茶味のモンブラン(約3000円)。京都の老舗茶屋から仕入れた抹茶を使ったペーストを、太さ1ミリに満たない糸状に絞り出し、ふんわりと重ねている。常連客のサラ・シチニャーノさん(25)は、「抹茶味のスイーツは甘すぎないのが魅力。後味がスッキリしていてコーヒーより好き」と笑顔だ。
日本で和風カフェなどを運営する会社が、昨年12月にオープンした。小口欽也代表は、「ヘルシーな印象の日本食材への関心は高い」と話す。
昨年の抹茶を含む緑茶の輸出額は364億円で、5年連続で過去最高を更新した。世界的なニーズの高まりを受け、農林水産省も、現在主流の煎茶などから、抹茶の原料となるてん茶への生産転換を農家に促す方針だ。