LIFE INSIDERより転載
ふと立ち寄った無印良品で数年ぶりに「オリジナルブレンドコーヒー」を買ってみたところ、以前よりも明らかに香りがよくなっていて驚いた。
気になって調べてみると、2024年3月にリニューアルされていた。
規格外だった豆を活用し、コーヒーの未来を守る
無印良品「オリジナルブレンド コーヒー 200g」850円(税込)
リニューアルした「オリジナルブレンド コーヒー」では、ブラジルのダテーラ農園と協力し、これまで輸出規格から外れていた小さなサイズのコーヒー豆が一部使われている。
ブラジルでは、豆のサイズや欠点数によって輸出基準が決められており、規格外となった豆は国内消費に回されるのが一般的だった。
無印良品は、その中から味に影響を与えない良質な豆を選別し、オリジナルブレンドの原料として採用しているのだという。
良質なコーヒー豆を使用しながらも、200gで750円という手に取りやすい価格が実現しているのは、この取り組みのおかげだろう。
さらに、規格外の豆を活用することで、2050年問題と呼ばれる「気候変動によるコーヒー栽培地の減少」への対策にも貢献している。
コーヒー需要が高まり続ける一方で、生産量は気候変動や病害虫の影響によって減少が懸念されている。こうした規格外豆の有効活用は、コーヒーの持続可能性を高めることにもつながっているのだ。
京都の老舗コーヒーロースター「小川珈琲」が焙煎を担当
オリジナルブレンドの味が向上したもうひとつの理由は、焙煎のクオリティにある。
パッケージの裏面を見て驚いたのだが、焙煎を担当しているのは、京都の老舗コーヒーロースター「小川珈琲」だった。
コーヒー豆の持つフレーバーを最大限に引き出せるかどうかは、焙煎の技術に大きく左右される。小川珈琲が焙煎を担当することで、素材のポテンシャルを最大限に活かした仕上がりになっていた。
3種類のブレンドでシーンに合わせた楽しみ方
リニューアルしたオリジナルブレンドコーヒーは、シーンに合わせて選べる3種類の味わいを展開している。
「ライトテイスト」は、ブラジルとグアテマラの豆をブレンドした軽やかな飲み口。
「ミディアムテイスト」は、ブラジル、グアテマラ、エチオピアの豆を組み合わせたバランスのよい一杯。
「ダークテイスト」は、ブラジルとインドネシアの豆を使用し、しっかりとしたコクを楽しめる。
個人的に3種類の中で最も気に入ったのは、「ミディアムテイスト」だった。
中深煎り程度の焙煎度合いでどの時間帯でも飲みやすく、エチオピアやグアテマラの明るいフレーバーを心地よく楽しむことができた。
何度か購入して感じた気になるポイントは、店舗によってコーヒー豆の鮮度に差があること。当然のことだが、コーヒー豆の売れ行きがよい店舗ほど在庫の回転率がよく、比較的新鮮な豆を楽しむことができた。
とはいえ、この価格帯で環境にも味にも妥協しないコーヒーというのは、なかなか出会えるものではないだろう。
無印良品の新しいコーヒーは、デイリーなコーヒーとして欠かせない選択肢のひとつになりそうだ。
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