
📰 元記事公開日:2026年05月04日
🔗 元記事URL:https://freshcup.com/coffee-news-club-week-of-may-4/
📝 概要:世界コーヒー選手権(WCC)が競技者の国籍表記を「台湾」から「チャイニーズ・タイペイ」に静かに変更した問題を中心に、電流でコーヒーの品質を測る技術や、トレーダー・ジョーズがカフェイン不足を理由に訴訟を起こされた話題など、コーヒー業界の最新ニュースをまとめて伝えている。
■ 世界コーヒー選手権が「台湾」を「チャイニーズ・タイペイ」に変更
2026年4月12日、Balaが台湾代表として2026年世界ラテアートチャンピオンシップで優勝した。しかし4月28日、世界コーヒー選手権(WCC)はウェブサイト上の「台湾」という表記を全て「チャイニーズ・タイペイ」に静かに変更した。「チャイニーズ・タイペイ」という名称は、中国政府への配慮からFIFAや国際オリンピック委員会などの国際スポーツ団体が使用している慣例に倣ったもの。WCCは2007年から台湾という国名表記を使用してきた。台湾代表として舞台に立つBalaの写真も削除された。コーヒー業界からは批判が相次ぎ、ライターのJenn Chenは「臆病で卑劣な行為で、誰にも気づかれないよう静かに行った」と非難。2016年世界バリスタチャンピオンのBerg Wuも「台湾という名前はただの名前ではなく、アイデンティティであり共有された記憶だ」とFacebookに投稿した。WCCは5月1日に声明を発表し、FIFAやIOCなど国際スポーツ団体の命名規則に合わせた行政上の決定であるとし、「これは競技者の記録方法の更新であり、誰が競技できるか、どのように予選を通過するか、WCCの舞台での体験には影響しない」と述べた。
■ 電気を使ったコーヒーの品質測定技術の開発
オレゴン大学の研究チームが、電流を使ってコーヒーの品質を測定する新技術を開発した。従来、多くのコーヒーショップでは屈折計(リフラクトメーター)を使い、総溶解固形分(TDS)を測定することでコーヒーの強度を評価してきた。しかし屈折計ではロースト度合いという重要な変数を考慮できず、同じTDS値でも風味が大きく異なる場合がある。研究チームはポテンシオスタットという実験器具を流用し、電極をコーヒーに浸して電気との相互作用を測定する手法を開発。この研究はNature Communicationsに掲載された。実用性の検証として、英国のコーヒーロースターの4種類のコーヒーを評価したところ、色分析やTDS測定では区別できなかった品質管理不合格サンプルを、この新技術が正確に特定することに成功した。研究の主著者であるChristopher Hendon氏は「これまで分離できなかったロースト色と抽出強度という2つの変数を切り離せるようになった」と述べ、バリスタがカフェ環境で迅速にコーヒーを評価し、一貫したブリューを維持することへの貢献を期待している。
■ トレーダー・ジョーズのコーヒーにカフェイン不足の疑いで集団訴訟
米国の4名の顧客がトレーダー・ジョーズを相手取り集団訴訟を起こした。訴えの内容は、同社の「フレンチロースト低酸コーヒー」が完全にカフェインを含むと宣伝されているにもかかわらず、実際にはハーフカフェインに近いというもの。USDAによれば8オンスのコーヒー1杯には約95mgのカフェインが含まれる。独立した検査(フロリダを拠点とする低酸コーヒーブランド「Puroast Coffee Company」が2025年に起こした別の訴訟の一環として実施)の結果、トレーダー・ジョーズの低酸コーヒーのカフェイン含有量は同社のダークフレンチロースト比51%、ハウスブレンド比45%にとどまることが判明した。原告側は損害賠償、弁護士費用、マーケティング資料の監査・修正、および当該製品のリコールを求めている。トレーダー・ジョーズはNBCニュースおよびUSA Todayのコメント要請に回答しなかった。
■ ブラジルの新コーヒー収穫量が11.5%増加との予測
ロイターの報道によると、ブラジルの新しいコーヒー収穫量が前年比11.5%増加するという調査結果が示されている。別の記事では、ブラジルの収穫が本格化する中、アナリストは過去最大規模の収穫量を予測しており、推計は6,600万袋(60kg換算)から7,500万袋以上に及ぶとされているが、農家は収穫したコーヒーを売り控えているという状況も報告されている。
■ 米国バリスタチャンピオンシップの新たな競技準備情報
Sprudgeによると、新たな米国バリスタチャンピオンシップに向けた競技準備に関する情報が公開された。詳細な内容については原記事を参照する形で紹介されている。
■ スターバックスの業績回復計画が成果を上げているとCEOが発言
Restaurant Diveの報道によると、スターバックスのCEOが同社の業績回復計画(ターンアラウンドプラン)が効果を上げていると述べた。
■ Bコープ認証コーヒーリーダーによるグローバル連合の結成
Global Coffee Reportによると、Bコープ認証を取得したコーヒー業界のリーダーたちがグローバルな連合を結成したことが報告されている。
■ カナダ・アルバータ州初のスペシャルティコーヒー組合がカルガリーで誕生
カナダでは米国同様、スターバックスのバリスタを中心にコーヒー業界の労働組合化が進んでいるが、スペシャルティコーヒー企業も例外ではない。バンクーバーでは過去数年で49th Parallel Coffee Roasters、Grounds For Coffee、Matchstick Coffeeが相次いで組合を結成(Matchstickは2月に全店閉鎖を発表)。今回、カルガリーのRosso Coffee RoastersのバリスタらがUFCW Local 401に加盟し、アルバータ州初のスペシャルティコーヒー組合が誕生した。5カ所のRosso店舗のバリスタ、アシスタントマネージャー、ロースタリー従業員を含む約30名が投票で組合結成を決定した。組合結成申請は2026年2月に行われたが、投票前にはUFCW側がRossoによる従業員との個別面談実施や組合支持者の勤務時間削減を非難。一方Rossoはアルバータ州労働関係法規に違反するソーシャルメディア投稿を組合が行ったと主張し、双方が対立した。UFCW Local 401のThomas Hesse会長は「コーヒーショップの労働者たちは今、真の勇気を示している。これはアルバータ州にとって重要な第一歩であり、最後にはならないだろう」と述べた。
■ 北米のイエメン系コーヒーショップが戦乱の国家イメージを刷新
Shaistha Khanによる記事「北米のイエメン系コーヒーショップが戦争で傷ついた国家をいかにリブランディングしているか」が紹介されている。イエメン系のコーヒーショップが北米において、紛争国というイメージを超えてイエメンコーヒーの文化的価値を発信している様子が取り上げられている。
■ 戦争下のイランにおけるカフェという安らぎの場
Farnaz Fassihibyによる記事「イラン人が戦争に直面する中、カフェにはまだ安らぎがある」が紹介されている。戦争という厳しい状況に置かれたイランの人々にとって、カフェが精神的な拠り所となっている様子が描かれている。