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コーヒーかすを炭化、ギフトボックスの紙素材に…古都の自家焙煎専門店と老舗紙卸が共同開発

 コーヒー専門店「ロクメイコーヒー」を運営する
路珈珈(ロココ)
(奈良市)は、老舗紙卸販売「ペーパル」(同)と共同で、コーヒーを抽出した際に出るかす(コーヒーグラウンズ)を使った新素材を開発した。ギフトボックスに活用し、独特な色合いと手触りの良さが評判を呼んでいる。(河部啓介)

コーヒーかすを原料にした新素材のギフトボックスをPRする井田さん(右)と矢田さん(奈良市で)
コーヒーかすを原料にした新素材のギフトボックスをPRする井田さん(右)と矢田さん(奈良市で)

 ロクメイコーヒーは、1974年創業。自家
焙煎(ばいせん)
スペシャルティコーヒー専門店で、奈良県内と東京に店舗を展開している。2018年に焙煎技術日本一を決める「ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ」で優勝した焙煎士・井田浩司さん(43)が社長を務めている。

 店舗でコーヒーを提供する際、県内3店舗で1か月あたり300~400キロのコーヒーかすが発生する。
堆肥(たいひ)
や飼料などで再利用を試みても、ハンドドリップに使用した紙のフィルターなどが混入し、有効活用の方法を見いだせずにいた。

 「資源として社内でいかしたい」と考えていた21年、井田さんはペーパルが開発した、食用で使えなくなった米を配合した紙「kome―kami(コメカミ)」に注目。知人だった同社の矢田和也取締役(38)に相談し、共同開発が決まった。

 活用したのは、正倉院の文書に着想を得て25年に開発した「薄炭クラフト」だ。コーヒーかすを高温で炭化してバイオ炭とし、段ボールの古紙に配合する製法を新たに設計した。バイオ炭化の工程では、紙フィルターなどの混入も処理ができた。試作を重ねて「コーヒー薄炭クラフト」を完成させた。

 約10種類のギフトボックスは、コーヒーかす由来のバイオ炭が生む、穏やかで温かみのあるグレーと、クラフトの中間色という気品のある色合いを醸し出している。2人は「なかなかこの色は出せない」と喜ぶ。手触りは炭の微粒子を感じられ、バイオ炭由来の消臭機能も持つ。

 既存の紙とは異なる質感のパッケージを模索していたという井田さんは「(廃棄される素材を活用して新たな価値を生み出す)アップサイクルにつながったのは良かったし、クオリティーの高いものができたことで、ブランドの価値も上がる」と満足そう。

 矢田さんは、「プラスアルファの価値を感じてもらいたい。バイオ炭はいろんな素材に応用が利くので、認知度が上がってほしい」と話している。

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