
📰 元記事公開日:2026年07月08日
🔗 元記事URL:https://www.dailysabah.com/life/food/how-matcha-went-from-japanese-ritual-to-global-obsession/amp
📝 概要:トルコのDaily Sabah紙のŞirin Bayraktar記者が、抹茶が日本の茶道という伝統的な文脈から離れ、パリ・ニューヨーク・ロンドンなど世界主要都市でコーヒーに取って代わるほどの世界的トレンドへと急速に変化した経緯を、文化・商業・消費者行動の変化という観点から分析している。
抹茶はもともと、急ぐことを前提としない「忍耐の産物」だった。収穫数週間前に茶葉を遮光して風味と鮮やかな緑色を引き出し、最も若い葉を手摘みし、蒸して乾燥させ、伝統的な石臼でゆっくりと粉末に挽く。この工程は少量の茶を生産するだけで1時間を要する。
日本国内でも、抹茶は茶文化のごく一部を占めるに過ぎなかった。日常生活の中心は家庭や飲食店で提供される煎茶であり、抹茶は茶道や歓待の場、数百年にわたる儀式に根ざした実践の場にのみ存在していた。
それが今日では、シロップを重ねたテイクアウトカップに入れてカフェのカウンター越しに数分で提供される商品となっている。パリの第9区では晴れた午後に手にしたアイス抹茶ラテを持つ人々が頻繁に目に入り、「セレモニアルグレードのラテ」を宣伝する看板、アイス抹茶とペストリーを組み合わせるベーカリーが次々と登場している。Creamy DailyやJirisanといった店舗では開店前から行列ができ、客はたっぷりのクリームや季節のフルーツピューレをトッピングしたアイス抹茶を注文し、ストローに手を伸ばす前にカメラを向ける。
ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンでも同様のトレンドが展開している。スペシャルティカフェから始まった流れは、独立系コーヒーショップ、ベーカリーチェーン、国際的ブランドへと広がり、今や抹茶はかつてエスプレッソが中心だったメニューに恒久的な位置を占めるようになった。抹茶はもはやコーヒーの代替品ではなく、コーヒーを「置き換える」存在になっている。学生は講義に抹茶を持ち込み、会社員は抹茶で朝を始め、カフェ全体のアイデンティティを抹茶一つで構築する店も出てきている。
この現象は、文化・商業・消費者習慣の変化が伝統をいかに再形成するかを示す物語でもある。